愛犬の避妊・去勢手術は、飼い主さんが最初に直面する大きな決断のひとつです。
「自然のままが一番では?」「全身麻酔が怖い」という不安もあれば、「病気予防のためにやるべき!」という意見もあり、飼い主としては悩みますよね。
獣医学的な観点から、メリット・デメリット、術後の変化、そして最適な時期を解説します。
1. 犬の避妊・去勢手術の内容とは?
まず、何を摘出するのかを正しく理解しましょう。
- 男の子(去勢手術)
- 精巣(睾丸)を摘出します。精子と男性ホルモンを作る工場を取り除きます。
- お腹を開けず、陰嚢(タマタマの袋)の皮膚を少し切るだけなので、身体的負担は比較的軽いです。
- 女の子(避妊手術)
- 卵巣のみ、または卵巣と子宮の両方を摘出します。
- 開腹手術が必要ですが、最近は傷が小さい腹腔鏡手術を選べる病院も増えています。
2. 【メリット】愛犬の病気予防と行動の変化
最大のメリットは、将来起こりうる命に関わる病気の予防率が劇的に上がることです。
【女の子のメリット】
- 乳がんの予防:
- 避妊していないメス犬の4頭に1頭がなると言われる病気ですが、初回発情前の手術で発生率を0.5%程度に抑えられます。
- 子宮蓄膿症の予防:
- 子宮に膿が溜まり、発見が遅れると死に至る恐ろしい病気です。
- シニア期に多いですが、手術で子宮を取ってしまえば100%防げます。
- 発情(ヒート)のストレス解消:
- 年2回の出血や、偽妊娠(巣作り行動や乳汁分泌)による精神的な不安定さがなくなります。
【男の子のメリット】
- 精巣腫瘍・前立腺トラブルの予防:
- 高齢になると多い精巣のがんや、前立腺肥大、肛門周囲腺腫などの病気を防げます。
- 性的ストレスからの解放:
- 発情したメスの匂いを嗅いでも交尾できないストレス(食欲不振や遠吠え)から解放されます。
- 問題行動の抑制:
- マーキング、マウンティング、放浪癖、他のオスへの攻撃性が減少する傾向があります。
3. 【デメリット】愛犬の健康リスクと副作用
避妊・去勢手術は、良いことばかりではありません。以下のリスクを理解し、対策する必要があります。
- 太りやすくなる
- ホルモンバランスが変わり、基礎代謝が落ちます。術後は今までと同じ量のフードをあげていると確実に太ります。
- 術後用のフードに切り替えるか、量を1〜2割減らして管理します。
- 全身麻酔のリスク
- 確率は低いですが、事故が起きる可能性はゼロではありません。
- 術前の血液検査をしっかり行い、麻酔設備が整った病院を選びましょう。
- 尿失禁(女の子)
- ホルモンバランスの変化により、寝ている間に尿が漏れることが稀にあります。大型犬に多いと言われています。
- 投薬でコントロール可能です。
- 一部の大型犬での骨・関節への影響
- 骨の成長期にホルモンを失うことで、骨肉腫や関節疾患のリスクがわずかに上がるという研究報告があります。
- 特にゴールデンレトリバーなどの大型犬に影響があると言われています。
4. 術後に愛犬の性格は変わるのか?
よく「手術をすると大人しくなる」と言われますが、正確には性ホルモンによる衝動が消えるだけです。
- 変わること
- メス犬への執着、縄張り意識による威嚇、落ち着きのない行動は減ります。
- その結果、穏やかになったと感じることが多いです。
- 変わらないこと
- もともとの性格は変わりません。遊び好きな子は遊び好きなままです。
- 学習した行動も消えません。すでにマーキングが癖になっている場合や、恐怖から来る無駄吠えなどは、手術だけでは治りません。トレーニングが必要です。
- むしろ、仔犬っぽさが残って甘えん坊になる子も多いです。
5. 愛犬の避妊・去勢手術 適切な時期はいつ?
基本的には性成熟する前(最初の発情が来る前)が推奨されています。
しかし、犬種によって微調整が必要です。
小型犬・中型犬
- 生後6ヶ月前後
- 乳歯が抜け変わり、体格がしっかりしてくる時期です。
- 女の子は初回発情(ヒート)が来る前に手術することで、乳腺腫瘍の予防効果を最大化できます。
- 男の子は、足を上げてオシッコをする前に手術すると、その癖がつかない可能性が高いです。
大型犬・超大型犬
- 生後10ヶ月〜1歳半以降
- 最近の獣医学では、骨の成長が完了するまで待つ(性ホルモンを骨の成長に使う)という考え方も広まっています。
- 女の子の場合、1回目のヒート後の手術になると、乳がんの予防率は少し下がります。このバランスをどう取るか、かかりつけ医と相談が必要です。
6. 愛犬の手術、どう決断すべきか
手術は、愛犬と長く一緒にいるための予防医療です。
手術をおすすめするケースは次の通りです。
- 繁殖の予定がない
- ドッグランやドッグカフェによく行く(ヒート中のトラブル回避)
- 病気を予防して長生きしてほしい
逆に、慎重になるべきケースは次の通りです。
- 極端な怖がりな性格(ホルモンが減ることで自信がなくなり、怖がりが悪化することが稀にあります)
- 持病があり麻酔のリスクが高い
最終的には、この子の生涯をどう設計するかで判断します。
ネットの情報だけで決めず、必ずかかりつけの獣医師に「うちの子(犬種・性格・体格)の場合、先生ならどうしますか?」と相談してみてください。
プロの意見が一番の指針になります。
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