お散歩中、愛犬がグイグイ引っ張ってしまい、大変そうな飼い主さんをお見掛けします。
これは飼い主さんの腕や腰への負担だけでなく、わんちゃんの首や腰にも悪影響を与えます。
引っ張り癖を直すためのトレーニングは、リーダーウォークと呼ばれます。
犬の心理を利用した、今日からできる3つの具体的な修正法と、道具選びについて解説します。
わんちゃんがなぜ引っ張るのか
犬が引っ張る理由は単純で、「引っ張ったら行きたい場所に行けた」という成功体験があるからです。
- 今の犬の認識: リードがピンと張る = 進める!
- 教えたいこと: リードが緩んでいる = 進める。引っ張る = 止まる。
この新しいルールを徹底することが全ての基本です。
方法1. ストップ
一番基本のトレーニングです。
- 歩き出す: 愛犬が前に出て、リードが「ピン!」と張った瞬間、無言で立ち止まります。
- 石になる: 飼い主さんは石や電柱になったつもりでいてください。犬がどれだけ引っ張っても、絶対に1ミリも前に進んではいけません。
- 待つ: 犬が「あれ?進めないぞ?」と疑問に思い、振り返ったり、半歩下がってリードが「たるん」と緩むのを待ちます。
- 再開: リードが緩んだ瞬間に「イイコ!」と褒めて、また歩き出します。
【ポイント】 これを、家の玄関を出た瞬間からやります。最初は10メートル進むのに10分かかるかもしれませんが、根気よく「引っ張っても無駄だ」と教えます。
方法2. 方向転換
前ばかり見ている犬に、飼い主の動きに注目させるための方法です。
- 歩き出す: 犬が自分より前に出て引っ張りそうになったら……
- 無言で回れ右: 犬に声をかけず、クルッと180度向きを変えて、反対方向に歩き出します。
- 追いつかせる: 犬は「えっ!?」と慌ててついてきます。
- 褒める: 犬が慌ててあなたの横に追いついた瞬間に褒めます。
これを繰り返すと、犬は「いつ飼い主がいなくなるかわからないから、横についてチラチラ確認しながら歩こう」と意識するようになります。
方法3. おやつ誘導
物理的に、横にいるといいことがあると教える方法です。
- 準備: 散歩中、左手(または犬がいる側の手)に小さくちぎったおやつを握りしめます。
- 位置取り: 飼い主さんの太ももの横(理想の位置)におやつを持った手を下げます。
- 歩く: 犬はおやつの匂いにつられて、自然とあなたの横を歩きます。
- 給与: 数歩歩けたら「イイコ」と言って、歩きながらおやつを与えます。
- 徐々に減らす: 最初はずっとおやつを見せびらかして歩きますが、徐々に手を隠し、横について歩けた時だけあげるようにします。
重要な道具の選び方
もし現在背中に金具がついているハーネスを使っている場合は、要注意です。あれは元々そりを引くための構造なので、犬は体重をかけて全力で引っ張りやすくなります。
引っ張り癖がひどい場合は、以下の道具に変えるだけで劇的に改善することがあります。
- イージーウォークハーネス(フロント装着型)
- 仕組み: リードをつける金具が背中ではなく、胸の前にあります。
- 効果: 犬が前に引っ張ろうとすると、構造上、体がクルッと飼い主さんの方に向いてしまい、力が入らないようになっています。犬への負担が少なく、効果が高いです。
- ハーフチョーク(半分鎖の首輪)
- 仕組み: 引っ張ると少しだけ首輪が締まり、ジャラッというチェーンの音がします。
- 効果: 合図を与えやすいですが、使い方が難しいのでトレーナーの指導を受けるのが無難です。
失敗する最大の原因
失敗する原因の多くは、一貫性のなさです。
- 今日は急いでるから、引っ張ってもいいや
- 公園についたから、好きに歩かせる
このように例外を作ると、犬は混乱して元の木阿弥になります。
リードがついている時は絶対に引っ張りNGというルールを、家族全員で徹底してみてください。



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